個人的なメモ

Tomohiro Suzuki @hiro128_777 のブログです。Microsoft MVP for Developer Technologies 2017- 本ブログと所属組織の公式見解は関係ございません。

Visual Studio App Center で、自動ビルド後にiOSの自動実機UIテストを実行する方法

はじめに

こんにちは、@hiro128_777です。

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jxug.connpass.com



では本題に入りましょう。


Visual Studio App Center で、自動ビルド後にiOSの自動実機UIテストを実行する方法


Visual Studio App Center で、自動ビルドを設定したら当然ながら次は自動でテストを走らせたくなりますよね!

というわけで、今回は自動ビルド後にiOSの自動実機UIテストを実行する手順についてご説明いたします。

今回の内容は下記リポジトリを利用しますので clone するか DL して下さい。
github.com


Visual Studio App Center のテスト設定に実機UIテストを走らせるデバイスの組み合わせのセットを登録します


Visual Studio App Center では、1回のテストで、複数の実機の自動UIテストを走らせることができますので、テストを走らせる実機を選択して登録しておきます。



Visual Studio App Center のテスト設定のデバイスセット設定を開きます。
f:id:hiro128:20181030180705p:plain


Set name を設定し、テストを実行するデバイスにチェックを入れ New device set で保存します。
f:id:hiro128:20181030180715p:plain


Device set が登録されていることを確認します。
f:id:hiro128:20181030180731p:plain


Visual Studio App Center にログインするキーを準備します。


自動実行されるシェルスクリプトが自動テストを実行するときに、事前に取得しておいたキーを使って App Center にログインします。そのキーをスクリプトから利用できるように環境変数に登録しておきます。



「Account settings」を開きます。
f:id:hiro128:20181030180748p:plain


「New API token」を開きます。
f:id:hiro128:20181030193140p:plain


APIの利用目的の説明とアクセス権を設定し保存します。
f:id:hiro128:20181030180958p:plain


キーが表示されるのでコピーしメモ(保管)しておきます。キーは画面を閉じると2度と表示されないのでご注意ください。
f:id:hiro128:20181030180945p:plain


キーが登録されていることを確認します。
f:id:hiro128:20181030180930p:plain


次にビルド設定を開きます。
f:id:hiro128:20181030181018p:plain


環境変数にキーを設定して、保存します。
f:id:hiro128:20181030181031p:plain


build 後に自動実行されるシェルスクリプトを準備します。


Visual Studio App Center には ビルドするcspojと同じ階層に、appcenter-post-build.shという名前でシェルスクリプトを配置しておくと、自動認識し build 後に自動実行してくれる機能があります。
よって、appcenter-post-build.shに、自動実機UIテストを実行する処理を書きます。

/src/Finish/iOS/appcenter-post-build.sh

#!/usr/bin/env bash

# Post Build Script

# Exit immediately if a command exits with a non-zero status (failure)
set -e 

##################################################
# variables

appCenterLoginApiToken=$AppCenterLoginToken # this comes from the build environment variables
appName="TomohiroSuzuki128/XamAppCenterSample2018iOS"
deviceSetName="TomohiroSuzuki128/my-devices"
publishedAppFileName="XamAppCenterSample2018.iOS.ipa"
sourceFileRootDir="$APPCENTER_SOURCE_DIRECTORY/src/Finish"
uiTestProjectName="UITests"
testSeriesName="all-tests"
##################################################

echo "##################################################################################################"
echo "Post Build Script"
echo "##################################################################################################"
echo "Starting Xamarin.UITest"
echo "   App Name: $appName"
echo " Device Set: $deviceSetName"
echo "Test Series: $testSeriesName"
echo "##################################################################################################"
echo ""

echo "> Build UI test projects"
find $sourceFileRootDir -regex '.*Test.*\.csproj' -exec msbuild {} \;

echo "> Run UI test command"
# Note: must put a space after each parameter/value pair
appcenter test run uitest --app $appName --devices $deviceSetName --app-path $APPCENTER_OUTPUT_DIRECTORY/$publishedAppFileName --test-series $testSeriesName --locale "ja_JP" --build-dir $sourceFileRootDir/$uiTestProjectName/bin/Debug --uitest-tools-dir $sourceFileRootDir/packages/Xamarin.UITest.*/tools --token $appCenterLoginApiToken 

echo ""
echo "##################################################################################################"
echo "Post Build Script complete"
echo "##################################################################################################"

このスクリプトがやっていることは、

  • UIテストプロジェクトをビルドする。
  • App Center に、自動UIテストのコマンドを発行し、実行させる。

の2つです。

このスクリプトを含んだリポジトリをプッシュすると、以下のように、App Center 側で認識されます。
f:id:hiro128:20181030181359p:plain

スクリプトデバッグ方法。

このようなスクリプトを自作するときに一番困るのが、

  • 「指定したファイルが見つからない」エラーが発生すること
  • 環境変数の中身がよくわからないこと

です。

よってスクリプトを自作するときには、下記のように環境変数ディレクトリの中身をコンソールに表示させながらスクリプトを書くことで効率よくデバッグできます。

# for test
echo $APPCENTER_SOURCE_DIRECTORY
echo ""
files="$APPCENTER_SOURCE_DIRECTORY/src/Finish/UITests/*"
for filepath in $files
do
  echo $filepath
done

ビルドを実行し、テスト結果を確認してテストが正しく実行されていることを確認します。


正しく実行されていれば、以下のようにテスト結果が確認できます。
f:id:hiro128:20181030181050p:plain


また、テストコード内に以下のように、app.Screenshot("<スクリーンショット名>")と記述することで、スクーンショットが自動で保存されます。

[Test]
public async void SucceedTranslate()
{
    await Task.Delay(2000);
    app.Screenshot("App launched");
    await Task.Delay(2000);
    app.Tap(c => c.Marked("inputText"));
    await Task.Delay(2000);
    app.EnterText("私は毎日電車に乗って会社に行きます。");
    await Task.Delay(2000);
    app.Screenshot("Japanese text entered");
    await Task.Delay(2000);
    app.DismissKeyboard();
    await Task.Delay(2000);
    app.Tap(c => c.Button("translateButton"));
    await Task.Delay(4000);
    var elements = app.Query(c => c.Marked("translatedText"));
    await Task.Delay(2000);
    app.Screenshot("Japanese text translated");
    await Task.Delay(2000);
    Assert.AreEqual("I go to the office by train every day.", elements.FirstOrDefault().Text);
}



保存されたスクリンショットは以下の手順で確認できます。

f:id:hiro128:20181030192206p:plain
f:id:hiro128:20181030192743p:plain
f:id:hiro128:20181030192238p:plain




これで、リポジトリにプッシュすると自動ビルドが走り、自動実機UIテストが実行されるようになりました!!


以上で、Visual Studio App Center で、自動ビルド後に自動実機UIテストを実行する方法は完了です。


今回は以上です。